闘う天使のための読書案内

人にやさしくばかりで自分を後回しにしてる人は「闘う天使」です。天使に笑顔が戻る読書案内を贈ります。

挫けそうになったときに効く言葉。

挫けぬ人間の心に、果てがないのだ。

『最後の医者は雨上がりの空に君を願う(二ノ宮敦人:著)』を読んで感じたこと。

 凹んだり辛かったり、「もう挫けてやろうかしら」なんて思ってしまうとき。

ガンで亡くなったkさんを思い出します。

 

化学療法のために入院してきたkさん(50代男性)。

この闘病に勝ち目はあまりありませんでした。

けれどもkさんは淡々としていて、治療を受けていたのです。

 

しかし日に日に、急激に悪化していく体調。

痛みも抑えきれなくなってきて、モルヒネを使用するほどに。

 

意識は日中も朦朧としているんですが、それでもトイレまで歩いて行こうとするんです。

「危ないから、ポータブルトイレをベッドのそばに持ってきますから」と看護師が言っても拒否。

ふらついて点滴棒に寄りかかりながら歩いていくkさん。

 

すでにオムツをつけていたから、トイレに行く必要なんてなかったのにも関わらず。

 

人間の尊厳にかかわるんですよね、排泄って。

最期の最後まで、自分でやるんだ。

気迫がすごかったです。

 

残念ながらkさんは亡くなってしまいました。

でも、負けだなんて思えないです。

 

生きることに勝ち負けなんてないんだな。

生きることって、尊い。それだけなんだな。

 

小説のなかで、どんなに死にそうな治療法だとしても、生きる可能性があるなら治療を受けるべきだと考える医師・福原の言葉があります。

 

挫けぬ人間の心に、果てがないのだ。

 

極限の困った状態にならないと、底力というものは出てこないのでしょう。

ですが、絶対に一人一人に備わっているはずです。

挫けない心は。

なので安心して(?)凹んでいよう。

まだまだいけるはず。

 

最後の医者は雨上がりの空に君を願う(上) (TO文庫)

 


最後の医者は雨上がりの空に君を願う(下) (TO文庫)

 

絶対に諦めない医師・福原と、死を受け入れて無駄な治療はやめましょうという医師・桐子の対立。

どちらが正しいのか。

この小説、一人っきりで読まないと恥ずかしいのです。

涙を浮かべているのがバレてしまうから。