闘う天使のための読書案内

人にやさしくばかりで自分を後回しにしてる人は「闘う天使」です。天使に笑顔が戻る読書案内を贈ります。

性格が悪いんじゃなく、それは脳のクセです。『自分では気づかない、ココロの盲点』

神よ、

他人が自分を見るように自分が見える能力を

我らに与え給え  (ロバート・バーンズ

「自分のことは棚に上げちゃって・・・」

心の中で罪悪感をともなって反省したり、人に対して憤慨することがあったり。

こういうことが、脳科学ではとっくに解明済みという、そんな本を読みました。

『自分では気づかない、ココロの盲点完全版(池谷裕二:著)』です。

 

認知バイアス」という、考え方のクセをドリル形式で知っていく本。

クセは、「歪み」「偏見」というフィルターにもなるけれど、それ自体が悪いものではないということ。

 

知っていれば、コミュニケーションで余計な衝突を避ける予防策にもなるということ。

 

こうしたことを学ぶ脳科学の本でした。

80題のクイズがあります。

その中でとりわけココロに残った問題をひとつ紹介しますね。

 

<ココロのゲリラ豪雨

突然に雨が降り出しました。

職場の傘立てを見たら、なんと、いつもの私のビニール傘がありません。

このとき、どちらの推測をする人が多いでしょうか。

 

1、誰かが持って行ったかな

2、どこかに置き忘れたかな

 

 

アナタは1と2、どちらが頭によぎると想いますか?

どっちが悪いとかじゃないので素直に感じたままで。

私は1でした。

 

 

どちらの推測をする人が多いでしょうか?

 

答え:1、誰かが持って行ったかな

 

責任は自分でなく、他人にあると考えたほうがストレスが少なくてすみます。

置き忘れたと感じるより先に、盗まれたと直感する人が多いはずです。

脳は、成功を「自分の手柄だ」と思い、失敗を「他人のせいだ」「不可抗力だった」と解釈します。

 

 

ものすごく心当たりのある解説文に言葉がありません。

ごまかしようもなく、自分のなかにこういった「正当防衛」の考え方があることを認めないわけにはいきません。

 

こういった脳の働き(クセ)を、「自己奉仕バイアス」と呼ぶそうです。

次のようなものも、自己奉仕バイアスになるとか。

 

 

人がやらないのは怠慢だから

(自分がやらないのは忙しいから)

 

人が出世したのは運がよかったから

(自分が出世したのはがんばったから)

 

人が時間をかけるのは要領が悪いから

(自分が時間をかけるのは丹念だから)

 

人が上司に受けがいいのはおべっか使いだから

(自分が上司に受けがいいのは協力的だから)

 

人が仕事ができないのは才能がないから

(自分が仕事ができないのは上司がアホだから)

 

人がテストに失敗したのは努力不足だから

(自分がテストに失敗したのは問題が難しかったから)

 

人が言われていないことをやるのはでしゃばりだから

(自分が言われていないことをやるのは積極的だから)

 

脳は自尊心を保つために、知らぬ間に心地よい理由を創作します。

 

 

これが「ダメ」「悪い」というお話ではないところが本書のいいところ。誰にでもある脳の働きなんですと、サバサバ説明してくれてるところが気持ちいいんです。

 

直せ、という話でもないのです。

ただ、知っていれば、ストレスが減りますよね。

責任は自分にないと思い込むことでストレスを減らし、自分が未熟だな~と感じるところを認める。

自分ができないことは他人だって難しいんだ、そう思えることで、さらにストレスは減らせそうです。

 

性格だから、という原因じゃないところも爽快です。

 

ゆとり、があるかどうかになるんでしょうか。

いくら優しい穏やかな人でも、時間がないときにはイラッとした表情を見せるとか、普段ちくちくイヤミばかり言う人でも、機嫌がいいとニコニコといい人っぽくなるとか。

ココロのゆとり。

「脳のクセだ、バイアスがかかってる」と知っている余裕・ゆとり。

自分にも他人にも優しくできるゆとり。

それが一番の収穫になる本ですね。

 

 


自分では気づかない、ココロの盲点 本当の自分を知る練習問題80/池谷裕二【1000円以上送料無料】

もうひとつだけ、すごくいいクイズがあったので、次回の記事にしますね。