闘う天使のための読書案内

人にやさしくばかりで自分を後回しにしてる人は「闘う天使」です。天使に笑顔が戻る読書案内を贈ります。

パリのすてきなおじさんの人生格言

難民問題、テロ事件、差別の歴史・・・。

世界は混沌としていて、人生はほろ苦い。

だけどパリのおじさんは、今日も空を見あげる。

 

『パリのすてきなおじさん(金井真紀:文・絵)』です。

「話のおもしろうそうなおじさんを集めてみよう!」

そんな思いつきから出来上がった本です。

 

「ボンジュール、お茶しませんか」と、まるでナンパのような声かけから、見知らぬおじさんに人生を語ってもらう。

そんなおじさんたちの人生観と格言のような言葉とイラストのすてきな本。

 

フランスっていろんな人種が集まっているんですね。

登場するおじさんたちも多種多様。

そんな中、「深いな」と思わされた言葉たちを紹介します。

 

 

食べるためにピアノを弾き、悲しみを癒すために絵を描く50歳のおじさん。

「とにかく調和が大事。対立からはなにも生まれない」

 

10着しか服を持たない47歳のおじさん。

「2分考えれば済むことを、みんな大げさに考え過ぎだよ」

 

下町の彫金師、47歳のおじさん。

「機械を使えば2時間でできる仕事を、手で100時間かけてやりたい」

 

ピカソやダリと交流があった画家、82歳のおじさん。

「人生を学んでいるあいだに手遅れになる。大事なことを後回しにするな」

 

ミシュラン星付きレストランシェフ、46歳のおじさん。

「料理人はテクニックを見せてはいけない。テクニックは食べられない」

 

毎日競馬場に通う92歳のおじさん。

人生で大切なことはなんですか?の問いに、

「差別もテロもずーっと昔からある。これからもなくならんだろう。

でもわしやあんたのような勇敢な人間もいる」

「人間を好きにならなければいかん」

 

西アフリカ・マリから出稼ぎ中の56歳のおじさん。

パリの人は親切か?の問いに、

「どこにだっていいやつもいるし、バカもいるでしょう」

 

75年前「隠れた子ども」だった87歳のおじさん。

*フランスでもユダヤ人狩りがありました。「隠れた子ども」とは、家族を殺されたユダヤ人孤児のことだそうです。

「人間には、人を憎む気持ちがある。権力者がそれを奨励する」

「だけど、人は変わることができる。変らなければいけない」

 

ガンの研究をしていたベトナム人、76歳のおじさん。

「大事なのは将来ではない。いまですよ。

いま、この瞬間に大事なものをちゃんと愛することです」

 

 

ほかにも難民として橋の下で暮らしているおじさん、ゲイカップルなども登場。

著者の「はじめに」で、

どうやら世界は、思っているよりずっと込み入っていて、味わい深いようだ

 

とありますが、私はぜんぜん世界を知らないんだなと分かりました。

日本にいるだけじゃ見えないことが、この本でその一部分だけでも知ることができたのは幸だった。

 


パリのすてきなおじさん [ 金井真紀 ]

 

なにかひとつでも心にぐっとくる言葉があったなら、嬉しいです。

私はこの本を読み終えて、優しくありたいなと、柔らかな気持ちがぽわんと生まれました(どれだけ長続きさせられるでしょうか・・・)。