闘う天使のための読書案内

人にやさしくばかりで自分を後回しにしてる人は「闘う天使」です。天使に笑顔が戻る読書案内を贈ります。

マサイ族がスマホ使ってなにが悪い?

「井戸が枯れているからお金を援助してくれ。学校がショボいからお金をくれ」

「ダメだ。テメーで稼げ」

 

『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話(ルカ・サンテ&GO羽鳥:著)』です。

 

タイトルも冒頭のやりとりも「なにそれ?」の感じ。興味本位で手にとりました。

マサイのルカ。

そのまんま、マサイ族の男性、32歳、妻子アリ。

職業:戦士兼ライター。

(戦士の戦績はライオンと1戦1勝。1敗の人は実在しません。あの世へ・・・)

 

「ロケットニュース24」というサイトの編集長をしているGO羽鳥氏がマサイ族のルポに訪れました。

そこで英語通訳をしていたのがルカ。

 

気が合ったんでしょうね。

そのうちルカが、村の井戸が壊れてしまい、毎日遠くまで水汲みをしなければいけない、そして上記のことを言い出したそうです。

GOはダメだと言ったあと、こう続けます。

 

「そんなことばっかやってるからマサイ族がナメられるんだ!

自立しろ!ライターになれ!

レポートを送ってこい!

原稿料で井戸を復活させろ!

カメラがないならスマホを送ってやらァ!!」

 

 

なんともすごいお話。

フェイスブックで写真と文章をルカが送る。

GO氏が超訳してサイトにアップする。

原稿料はルカに入る。

人気のある記事ならプラス報酬も出る。

 

マサイ初のライター。

でも最初のころ、ルカは写真があればいいだろうと、写真だけ送っていたそうです。

そしたら、

「ライターなら文章書けよ!

こんなんで金をもらえると思ってんのかバッファロー(バカ野郎)!!」と怒られたとか。

ちゃんと仕事として扱っているところが清々しい。

 

でもスマホを使うことが大変なんですよ。

村には水道はおろか、電気もありません。

通信手段は「ネットカフェ」だけ。それは住む村から50キロ離れています。

充電も大変。充電スポットは10キロ先。

ライオン・ゾウ・バッファロー・キリン・カバが出現する道を歩いていかなければなりません。

充電命がけ。

 

それでもルカはお金を稼ぎたかったのです。

マサイ族だってお金がなければ生きていけないのです。

収入源は観光客が払う「入村料」と「おみやげ代」。

女性たちが作るアクセサリーで生計をたてているのですが、

観光客が訪れるのは月平均10人程度。

 

男性は出稼ぎに行きますが、出来る仕事はガードマンだけ。

戦士はつぶしがきかないし、十分な教育も受けていないので、できる仕事は限られてしまうのです。

 

 

読んでいたら、やはりどこの時代でも場所でも、変化には対応していかなければ生き残れないんだなあという厳しさを実感しました。

 

イメージとして。

「マサイ族がスマホ?なんかそれ、イメージ違う」って感じるんですよ。

槍もって、半裸で走ってるようなね、そんな姿を期待してしまうというか。

 

そんな押し付けのイメージを外から与えてしまってるから、マサイ族の人たちは変りにくいんだろうな。

 

テレビ番組でマサイ族にインスタント食品を食べてもらうところを放送したら、クレームがくるそうです。

「そんなものを食べさせたらダメだ」って。抗議の電話。

 

ルカはこう書いています。

オレたちだって、珍しいお菓子とか食いたいよ。

子供たちにも食わせたい。

他の文化に触れたっていいじゃない。

嫌だったら拒否するし。

写真だって撮りたいし、スマホだって使いたい。

稼がなきゃいけないし。みんなと同じさ。

 

 変わっていけるからこそ、生き延びることができる。

自分たちの観光旅行のために、部族の変化を許さない風潮があるのなら。

そういうの、もう自由になってほしいなと思ってしまいました。自分たちで変化を選ばないならそれでいいんだろうし。

 


マサイのルカがスマホで井戸を掘る話 [ ルカ・サンテ ]

とにかく息抜き読書に最高でした。

期待どおりのマサイの姿もあれば、「なんじゃこりゃあ!」のマサイの常識などなど。

 

ぜひ、サイトに連載中のルカのレポをご覧ください。閲覧数が多ければ多いほど、マサイの子供たちがちゃんとした教室で勉強できる未来が近くなります。

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